2011年1月19日水曜日

⑱邦楽の音階について

前回、
箏(琴)の調弦の基本の調子となる

「平調子」の音色を聴いていただきました♪


聴いていただいて、
強く弾いていた音
弱く弾いていた音にお気づきになったことと思います。


今回は、<邦楽の音階について>です♪♪


基本となる音階の考え方は、
中国の音楽理論を応用したものです。


日本に伝来して、
音階名はそのままですが、

考え方は少し変化しております☆


さて、
邦楽の音階は、

「陰旋律(いんせんりつ)」と

「陽旋律(ようせんりつ)」

に大きく別けられます。

私が勉強しております、箏や三絃は「陰旋律」です♪

「陽旋律」は地方に多く、
民謡などの旋律として使われております。


↑どちらにしても、
日本音楽の音階は

統べて五音音階なのです♪


「五音音階の名称」は、

それぞれ
「宮(きゅう)」、「商(しょう)」、「角(かく)」、「徴(ち)」、「羽(う)」
といいます。


五音音階の特徴は、

陰性の音色を
メロディーの中に折り込んでいるところにあるのですが、


「宮(きゅう)」 陽性  主音

「商(しょう)」 陰性 

「角(かく)」   陽性 補音

「徴(ち)」     陽性  副主音

「羽(う)」     陰性  


★陰性の音は弱く弾きます


前回 聴いていただきました、

「平調子」は、
弦を弾いた順から数えて
五番目の音から
「宮・商・角・徴・羽」の音階をとりますので、

六番目、九番目 が陰性の音で弱く弾きます(^^)


オクターブの関係を考えますので、
四番目、六番目、九番目、十一番目(斗)が

陰性となるので弱く弾いているのです(^0^)/


その時の曲の調子によって、

どの弦から五音音階をとるかが
変化しますので、

音の陰陽も変わり、
弾く時の強弱も変わるのです♪♪

もう少し詳しく書きますと

音階の上行するとき(「羽」から「宮」へ弾くとき)
また、下行するとき(「宮から「羽」へ弾くとき)
それぞれで、「羽」音が変化する法則もあります

それは
作曲者の曲想によって、
軽快な感じ、または
奥ゆかしい深みのある味わいを
表現するのに使われるのです。

とくに、陰性の音は
音の表情を表現する大切な役目を持っています。

ここまでくると
音の色合いを表現する奏法を
意識する・・といった、言い回しになってきて
学べば学ぶほど、奥が深く
一言では、説明しきれません。

井上江雲先生がいつもおっしゃってた言葉

流派を超えて

「美しく弾くこと」

これに尽きるのかもしれません。