2011年1月12日水曜日

⑰平調子に調弦する方法

前回、
⑯一越(D)のお話を書きました。

そこで、今回は、
「一をDで平調子に調弦する方法」を書いていきます♪


箏という楽器は、

弦に琴柱(ことじ)をかけ、
琴柱を動かして調弦する楽器です


「平調子」というのは、
箏の基本となる調子なのですが、

一から順に弾いた音を聴いているだけでも
とても心地よい調子です(^0^)/



箏の調弦は、純正律

~自然倍音に基づく純正な音程なので、
美しい響きが得られます


♪「平調子」の調弦法です
(一をD=尺八のロ)

① 調子笛などでDを、
尺八でロの音を出していただいて

その音と一の弦を合わす。

② 一、二の弦を中指で弾き、完全5度に合わす。

③ 一と三を同時に弾き、響きを確かめて
完全4度に合わす。

④ 四と三を弾きながら、半音に合わせる。
古曲の場合は、やや低め。
近代以降のは平均律の半音と同じ。

⑤ 一と五を同時に弾いて、同じ音に。

⑥ 六、五を弾いて半音に。
 ④の場合と同じく、古曲の場合は低め。


⑦ 七から後は、二と七、三と八、
四と九、五と十、六と斗、
七と為、八と巾を
それぞれ同時に弾いて、1オクターブに合わせます♪


すると、琴柱はこの様な位置になります☆
 



いつもは、
体で覚えて自然に行っている動作を
言葉で書くのは難しいですし、

どの様な音になるのかも想像するのが難しいと思いまして、

師匠に平調子を弾いていただきました(^0^)/


一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、斗(と)、為(い)、巾(きん)

と順に弾いています♪♪

四、九 と 六、斗を低めに弾くと、

特に古曲を弾く時には

三絃(三味線)との合奏とも音が合いますし、

曲も しっとりとしたものになるのです。



2011年1月11日火曜日

平調子ー動画ー


一の音(糸)を D にして

師匠に、平調子を弾いてもらいました。

音によって、強弱も決まっています。

今日は番外編です。

2011年1月5日水曜日

⑯除夜の鐘と 壱越(D)のお話


お箏と三絃の調弦をする際、
調子笛で、Dの音を基本にする場合が多いのですが、
今日はその D の音 のお話です。

      *******************

大晦日から 「除夜の鐘」を聴きつつ、
新年を迎えた方もいらっしゃると思います(^_^)/
梵鐘の いつまでも続く余韻を聴いていると
今年は こんな一年だったなぁ…
そして 「あぁ、一年こうありたいなぁ~」と、
日付が変わり、新年を迎えた時刻に
鐘の音を聴くとしみじみ思うのですが、


あの、大きなお寺の鐘(梵鐘)は

「壱越(いちこつ)」という高さの音がする様に作られるのが基本です☆


    





「壱越」というのは、英米音名、ドイツ音名で言いますと「D」にあたります。
そして、読経をしながら打ち鳴らす
「キン(磬)」も
壱越の高さに音が鳴る様に作られています。



この、「キン」は、
読経の声の高さの目安の為の「音叉」の役割と、
叩く速さで、読経のの速さを表しているとのこと。


さて、
筝(琴)や三絃(三味線)の調弦をする際に、
調子笛を使って 「一を壱越の音の高さにして…」
という曲は多いのです。


    
上記は、『七小町』という曲の楽譜の一部です。

ここには、「こうやって調弦する」ということが書かれているのですが、


三絃の「一の糸」
=尺八の「ロ」
=筝の「一」 となるように調弦する、
と書かれているのです。
(※都山、琴古と書かれているのが尺八です)

尺八の「ロ」は、壱越の高さなので、
三絃の一の糸も、筝の一も壱越の高さにして
調弦してくださいと書かれているのです。


どうして壱越(D)を基本として調弦するのか
もともと、琴も三絃も中国由来だからかしら~?

と文献をあたったのですが、
明確な理由には出会えませんでした(+_+)


歴史を見ると、僧の方とも関わりがあるので、
梵鐘やキンの音、読経の声の高さに秘密がある様な(^^)
心に響く音が、壱越(D)だったのかもしれないし、
心地よく感じる音が壱越だったのかもしれません♪♪

除夜の鐘の後は、正月の獅子舞を堪能したいです~(*^。^*)
このコラムでもご紹介いたしました『八千代獅子』も
お正月はとくに、お店などでも耳にいたしますね♪

この曲は、歌のない部分が先に作られて、
後から歌がついたという説があるのですが、

「後唄」という、終わりの方に出てくる歌は

 ♪ 雪ぞかかれる 松の二葉に

   雪ぞかかれる 松のふたばに
 
という、今の時期の景色にぴったりな歌詞なのです☆

2010年12月24日金曜日

⑮黒髪という曲のお話

今回は、「冬」を感じる曲のご紹介です♪

川端康成の『雪国』の文中にも
ヒロイン駒子の
「小さい時こうして習ったわ。」
「く、ろ、かぁ、みぃ、の……。」

という様子が書かれている様に、
習い始めの手ほどきとして使われる曲ですが、
情緒があって美しいので親しまれてきました。




歌詞は以下のようになっております(^.^)

黒髪の むすぼれたる思ひをば
とけて寝た夜の枕こそ
ひとり寝る夜は仇枕
袖はかたしく つまじやいうて
愚痴な をなごの 心は知らず、
しんと更けたる鐘の声
昨夜(ゆうべ)の夢の今朝さめて
ゆかしなつかしやるせなや
積ると知らで 積る白雪


天明4年に「大商蛭小島(おおあきないひるがこじま)」という
中村座の芝居が上演されました。
伊藤祐親(すけちか)の娘辰姫が
頼朝への恋を政子に譲り、自分の髪を梳きながら
嫉妬に胸を焦がす情景のBGMに
この曲を使ってから
曲が親しまれてきました♪

『黒髪』の様に、
もともと地歌ですが、少し変化して長唄や、
小唄でも演奏される様になった曲は
他にもいくつかあります。

2010年12月21日火曜日

⑭新浮船 という曲のお話

『新浮船』という曲のお話です。

「新」とついておりますのは、この曲が作曲される以前に、
『浮舟』という曲が作られておりますので
区別する為についております。

歌詞は、源氏物語 宇治十帖の中の「浮舟」の物語を題材にしています。





<歌詞>

まれ(め)人の 心のかをり 忘れねど

色香もあやに咲く花の あだし匂ひにほだされて

包ましき名もたちばなや

小島が崎に誓ひてし

其浮船の行方さへ いざ白波の音すごき

身も宇治川の藻屑とは なりもはてなで世の中の

夢の渡りの浮橋を たどりながらもちぎりはあれど

すずしき道に入れんとて 現にかへす小野の山里



「宇治十帖」といいますと、

54帖あります源氏物語のうち、最後の10帖をいうのですが、

宇治を場面として書かれておりますので「宇治十帖」といいます。


「源氏物語」は、今や海外の方でも研究なさっている方がいらっしゃるほど
日本を代表する物語で

貴族の方も、絵巻を作って残すほど 愛読されていたのですね。


      

この、「源氏物語絵巻」は、2千円札の裏にも印刷されて話題になりました♪

江戸時代に作られたこの曲の歌詞も、

当時の人が読んでいるであろうことを前提に

歌詞では単語を織り込む形で書かれています(*^。^*)


まめ人=薫大将
色香も…匂ひに=匂宮
たちばな 小島=ひそかな逢瀬をした小島

といった様に書かれています。

浮舟は 薫と匂宮の板挟みに合い、悩んだ末に宇治川に身を投げようとして
果たせず横たわっているところを
僧に助けられ、仏門に入るのですが、

その宇治川の流れを手事という、

歌のない部分の合奏で表現しているとされています。
     


三絃は、物語の雰囲気が伝わる、

透明感がある音色の「二上がり」の調子で最初から最後まで弾きます♪


さて、宇治といえば

10円玉の裏にもあります、

宇治平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩をご存じの方も多いことと思います。



箏、笙、琵琶、鼓…様々な楽器を持っています。

他にも、舞を踊っていたり、歌っていたり…

その表情は皆穏やかで、

さぞかし豊かな合奏が…と音色を想像してしまいます(^。^)♪♪