2010年10月25日月曜日

⑧ 『八千代獅』の続きのお話

番外編「八千代獅子」の演奏を
聴いていただきましてありがとうございます。

今回は、
「八千代獅子」のように、
「獅子」とついている曲のお話を書いてまいります。

「獅子」とタイトルについている曲は、他にも
吾妻獅子、越後獅子、御山獅子…といくつかあるのですが、
全て、「獅子舞」を器楽であらわそうとした曲とされています。


「獅子舞」そのものの音、というよりは
洗練されたメロディーになっていたり、
三絃(三味線)の技をたっぷり聞かせる中に、
獅子舞の感じを織り込んだ…とい
うような曲が多いです♪

「獅子舞」というと、
お祭りやお正月に見る機会があることと思います。

獅子は、五穀豊穣の祈り、悪魔払い、雨乞いなどに用いられ、
民族芸能として、祭礼囃子と共に地域住民に支えられて
室町時代から流行・発展していきました(^^)

この秋にも、
幾つかの神社の祭礼囃子と獅子舞を見る機会に恵まれました(*^_^*)
このお祭りの獅子舞に、
次女の頭を噛んでもらってきました(^_^)



獅子舞は特に、「風流(ふりゅう)系」の芸能と呼ばれ、
華やかな趣向が特徴といわれるだけあって、
遠くからでも、目をひきますね。


さて、
「獅子」がタイトルについている曲は、

いずれも、
1664年刊行の「糸竹初心集」と
1687年以前の刊行の「糸竹大全」という中の
獅子踊曲からヒントを得て作られたものなのです。

いまで言う、流行歌集のようなものでしょうか♪


「八千代獅子」は、
「朝顔獅子」という尺八曲を
大阪で 胡弓政島流を創めた政島検校が胡弓で弾き、
その胡弓の曲を藤永検校が三絃化して出来ました♪

藤永検校は政島検校の師でしたので、
三絃曲として世に出る機会となったのでしょう。

作曲された年は不詳ですが、
藤永検校は、1757年に検校(けんぎょう)として登官しておりますので
今から約200年前に作られた曲です☆