いつものお稽古場での様子です。
お稽古場に伺って、向かい合って座ります。
まずはご挨拶。
筝と筝の合奏のお稽古をはじめます。
そして、2面が同じ調弦にする曲だったなら…
そして1弦ずつ、音を出して
もう一面の箏の音が一つになるように
琴柱を動かしながら合わせていきます。2面を同時にぴったり合うよう
一の弦から順番に二回ずつ同時に弾きながら
確認しつつ、微調整していきます。
この「音が合う・合わない」ということについてですが、
爪が弦に当たった瞬間の音は 「音」なのでそれを、比べるのではなくて
その後の、余韻ーこそが、「箏の音(いろ)」です。
それを「合わせる」ということなのです。
それには
耳を澄ませて、集中して、音の波動を合わせることが
必要です。
そして二つの音色が一つに聞こえるところで箏柱を留めます。
これも慣れといえば慣れなのですが、
この意味がわかってくることがとても大切で
とりもなおさず、自然にこの時間が
ここから曲を弾く心の準備にもなっているのです。
※以前に、「平調子」の調弦をした動画をご覧になって頂きましたが、
↑今回の調弦は、
『富士』という曲のための調弦ですので、
「平調子」に調弦してから、
一の弦を1オクターブ下げ
四と九の弦を一音上げた調子です☆
昭和に入ってからの曲なので
古曲を弾く場合よりも六と斗の弦を若干高めに調弦してあります(^^)
このように、弾く時の曲に合わせた
節(メロディとでもいうのでしょうか)を大切にした
微妙な調弦をすることが一番大切で、
邦楽が邦楽らしく魅力的に聞こえる真髄
(現代音楽と違うところ)と
言えるかもしれません。
・・・でも美しくなければ音楽ではないというところから
すれば、すべて同じなのでしょうか?
コラムをUpしながらいつも改めて
自分に問うところであります。
前回のコラムでご紹介しましたー短箏・ちどりー
<「3年間で一種類以上の和楽器に触れさせること」と、
学習指導要領に盛り込まれているその和楽器ですが
それように用意された特別サイズのお箏>
和楽器に触れさせること=使いやすいサイズに変えてますが・・・
なんですね。
ちどりの場合はチューナーを見ながらねじで合わせます。
一つ一つの音を同じにする。
まずはそこからなのですが・・・
和楽器の
なかなか伝わりにくい、デリケートな部分こそが、
邦楽の一番の魅力・よさなのですが
しかしそれは一番面倒で時間とエネルギーのいる部分
それを伝える為に
何ができるか、模索中の私たちであります。