2010年9月12日日曜日

④お箏の曲のお話ー秋の言の葉ー

箏曲『秋の言葉』をご紹介いたします♪
「あきのことのは」と読みます…


明治時代に作られました♪

「秋」と名がついた曲の中で
名曲とされています
虫の声を想像しながら
歌詞を堪能していただけると嬉しいです~


『秋の言葉』 

西山徳茂都(にしやまとくもいち)作曲


♪散りそむる 桐の一葉におのづから

袂涼しく朝夕は 野辺の千草におく露の

つゆの情(なさけ)を

身にしるや

たれ松虫の音をたてて、

いとどやさしき鈴虫の、

声にひかれて もののふが

歩(あゆ)ます 駒のくつわ虫

哀れはおなじ 片里の

いぶせき賤が伏家にも

つづれさせてふ きりぎりす


機織る虫の声々に 

合す拍子の遠砧

面白や 暮れゆくままの大空に

くまなき月の影清き

今宵ぞ秋の最中(もなか)とは

いにしへ人の言の葉を

今につたへて

敷島の 道の しをり と 残しける



桐の葉が落ちて秋が来たことを知りました…
から歌詞が始まり
松虫、鈴虫、くつわ虫、きりぎりす
と、よく知る虫の名前が登場いたします♪


平家物語の小督の局を訪ねた
仲国が嵯峨野の虫の声に
ひかれた想い
を背景に歌詞が連ねてあるともいわれております。
遠砧…「遠くに聞こえる砧の音」

とあります☆

砧とは洗濯を川沿いでする時に、

布を木や石の上で槌で叩く時の音のことで

箏では「チンリンチンリン」を繰り返して伴奏するのです


この曲は箏と箏で合奏するのですが、
チンリンチンリン…と砧を表す伴奏と
虫の音を表現するメロディ-とを和していて
秋の情景を感じます~


歌詞の最後は

「今宵ぞ秋の最中」

→「水の面に 照る月なみを 数ふれば

今宵ぞ 秋の最中なりける」 

という

源順(みなもとのしたごう)の歌にふれ、

「この歌を現在に至るまで伝えて

和歌の道の案内、手引きとして残しているのであるよ」

で結んでいます。

この歌は~
皆様おなじみの和菓子の名前の由来となった歌ですo(^-^)o











江戸時代、
月の宴に出た白くて丸い餅菓子を食べている時に
この和歌が話題となり
「最中」となりました(*^_^*)


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