2010年11月1日月曜日

⑨ お箏が出来上がるまでのお話

今回は、箏ができるまでの話を書いていきます♪

先日、新しい箏(琴)を、いくつか見る機会に恵まれました(^^)


どれも美しい木目で、見ているだけでうっとりしておりました。
一面一面の木目の違い…
それは、箏の音の違いにもつながります♪♪

箏は、「桐」という、日本になじみの深い木から作られます。
「桐」は、飛鳥時代に中国からもたらされ、
以来、湿気の多いこの国では、
生活用具でもなくてはならない木材でした

また、「鳳凰が止まる木」、
「喜びをもたらす木」として、古くから大切にされてきました。

皇室の菊に次ぐ紋は、
桐紋なのはご存じのことと思います☆
たわわに咲く桐の花と、大きな葉を象った紋ですね。




そして、500円玉の裏にも模様が!


桐タンスが嫁入り道具…というのは、
桐の成長が速いので、20年程で大木になる。
庭に植えて、嫁に行くときに切ってタンスを作って持たす、という風習から(^o^)

湿気から守ってくれる優れた材質の桐は、
楽器にしてもその音色は素晴らしく、
アジアの楽器の多くで使われていて、
和楽器でも、琴だけではなく、
琵琶、笙にも用いられております♪


さて、箏の本体を作るには~
寒い荒れ地に育った、
樹齢20年以上、直径30㎝以上の木目のしまった木を切り出します
  ↓

数年乾燥させます
  ↓

表面に丸みをつけた大きめの箏の形に切り出します
  ↓      <桐屋の仕事>
  ↓

桐屋から、買い付けた箏材を
さらに1年ほど外に放置して乾燥とあく抜きをします
  ↓

カンナを箏の裏の部分からかけて、
船のような形にくり抜きます
  ↓

響きをよくする為に綾杉と呼ばれる模様を彫ります

  ↓     

裏板をつけます
  ↓

表面は焼きゴテで焼いた後、
鉄ブラシをかけて「との粉」で磨いて仕上げます
                   <琴屋の仕事>


ざっと書いたのですが、
こまかい部分を作る作業、飾りを施す作業をして完成するのです♪♪

桐が樹齢を重ねる中で、
気象条件の変化に会い、年輪が不揃いになると、
こうした円形の木目が幾つも現れた箏ができるのです(^o^)

それだけで音色が ひと味変わったりする

自然が作り上げた音色のすばらしさに
富士喜会のお仲間と触れられる幸せを感じつつ・・・

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