2011年2月9日水曜日

⑳三絃の名称とサワリについて

今回は、
このコラムの中で、
三絃(三味線)といつも記述をしていますので、
まず、名称について書いていきます♪

伝来した中国の「三弦」は
「サンシュン」や「サンシェン」と読みましたが、

本土に伝わって変化しまして、
「三弦」や「三絃」と書いて
「サンセン」→「サミセン」と読んでいました。


その後、
更に読みが変化いたしまして、
「サミセン」→「シャムセン」→「シャミセン」となり、
「三味線」の漢字が当てられる様になりました。

地唄の場合、
昔からの書き方の
「三絃」で「サンゲン」という読み方をする方がまだまだ多いのです。

邦楽に縁のない方には「三絃」という名称、
馴染みがないのではないでしょうか?

そこでコラムの中で
「三絃(三味線)」とさせていただいております。


前回は、撥を当てる場所の
「胴」の部分を紹介いたしました♪
「胴」が大きくなったのも、
初めに三味線を弾いたのが
琵琶法師でしたので
より撥が当てやすく、という改良からなのですが、
今回掲載します部分にも、
琵琶からの影響がみられます☆



写真は、
棹の一番上端の部分(海老尾または天神と言います)
と糸巻の部分を横から撮ったものです。

本土に入って来た「三弦」は、
少ししか後方に湾曲していなかったのですが、
その後、琵琶と同じ様に
大きく後ろに反った構造となりました。






そして
日本に入ってから
「サワリ」という、独特な工夫が加わりました。



金属の小さな駒があります(上駒といいまして、象牙を用いる事もあります)

この上駒に乗らない一番太い糸(一の糸)は、
開放弦が振動しますと、
写真にあります凹凸の、凸の部分(サワリの山)に触れて
複雑な高次倍音が響いて、
味わい深い音が奏でられるのです。

この、太い糸だけではなく、
他の二つの弦(真ん中の「二の糸」、一番細い「三の糸」)でも、
よく協和する音を奏した場合、

サワリの効果が生まれます



糸巻を回して
糸を巻いて調弦をしただけでは、
なかなかサワリが付かなくて、
その独特な響きを出すのには
少々経験・工夫が必要です。

浮きすぎた一の糸を
サワリの山に近付ける為に
弦を押したり、

凹の部分のサワリの谷が深過ぎたりすると
薄くて小さい紙を挟み、
「紙ザワリ」という方法でサワリを付けます。

糸の位置を、微妙に、変えるだけでも
サワリが付いたりします。

まずは、一の糸の妙なる響きが出るよう
まずは、三絃を整える、、
そのことからもう、演奏が始まっています。
**********************************************




参考
三味線ーウィキペディアより

通常、一の糸の巻き取り部の近くに「さわり」と呼ばれるしくみがある。
これは一の糸の開放弦をわずかに棹に接触させることによって
「ビーン」という音を出させるもので、倍音成分を増やして
音色に味を付け、響きを延ばす効果がある。
これによって発する音は一種のノイズであるが、
三味線の音には欠かせないものである。
三味線の「さわり」の特徴は
一の糸のみに「さわり」がついているにもかかわらず、
二の糸や三の糸の特定の押さえる場所にも、
共鳴によって同様の効果をもつ音があることである。
これにより響きが豊かになるとともに、
調弦の種類により共鳴する音が変わるので、
その調弦法独特の雰囲気をかもし出す要因ともなっている



*少々専門的なお話になってきましたので、
 補足として、ウィキペディアからの参考部分を
 引用掲載させていただきました。

2011年1月31日月曜日

⑲三絃のお話

邦楽♪豊学のこのコラムも19回目となりました。

10月25日番外編⑦⑧で載せました
三絃(三味線)と尺八、鼓による
富士喜会の演奏『八千代獅子』を
お聞きになった方もいらっしゃると思いますが、
その三絃のお話を、
今回から、
楽器の伝来や構造、弾き方などなどを
曲の紹介を交えつつ進めていきたいと思います。


三絃と箏は、別々のジャンルだったのですが、
1688年頃から交流し始めまして、
もともと三絃の曲だった物に、
合奏できる様に箏の手が作られていきました♪

箏は、奈良時代には中国(唐)から伝来しておりましたが、
三絃(三味線)が伝来したのは
かなり後になります☆


中国には「元」の時代より
「三弦(サンシュン)」という楽器が存在していました♪         ↓
14世紀末、
琉球に伝来します。
現在でも沖縄で使用されている「サンシン」と呼ばれている物で、

「サンシン」は、中国から伝来してから
形状は ほぼ一緒のまま
今でも使われています♪
          ↓
1558~1569年に大阪の堺港に入り、
本土に三味線が伝わりました☆
  (初めて見た方達は驚いたことでしょう(^O^))

本土に入って来た時には、
蛇の皮が胴を包む様に張られており、
胴も丸いものでした。


 



















本土に入り、
胴が四角になり、大きくなったので
蛇皮ではなく、犬や猫の皮を
木の枠の表と裏に張る様になりました♪♪
(本土では蛇を捕るのが難しい、という説もあります)









呼び名も「サミセン」「シャミセン」となりました♪
胴の写真を見ていただきたいのですが、
弦は絹糸で
太さの違う3本の糸をかけます。

右側にあります、
小さく細長い物は、
「駒」と言いまして、
箏でいう琴柱(ことじ)の役割をしています


さて、三味線を最初に手にしたのは
「琵琶法師」でしたので、
琵琶の時に用いられる形に似た撥で弾かれる様になりました。
中国でも、琉球でも、撥ではなく、
義爪(ぎそう)か指頭で演奏していました。

初めに手にしたのが、
琵琶法師だった、というのは
偶然?なのでしょうけれど、
もし、琵琶法師が手にしなかったら…と想像は膨らみます(^_^)










写真は、現在、私が使っております地歌用の撥です。


三味線は、本土に伝わってから、
あっという間に広がり、
様々な細かいジャンルが生まれ、
撥の形もジャンルにより変化しました。




三味線は、他の弦楽器と同じ様に、
糸巻きの部分で調弦して

長い木の部分の「棹」(ギターやチェロなどでは「ネック」)
の部分のツボを指で押さえながら

撥で弾いて音を出すのです。

2011年1月19日水曜日

⑱邦楽の音階について

前回、
箏(琴)の調弦の基本の調子となる

「平調子」の音色を聴いていただきました♪


聴いていただいて、
強く弾いていた音
弱く弾いていた音にお気づきになったことと思います。


今回は、<邦楽の音階について>です♪♪


基本となる音階の考え方は、
中国の音楽理論を応用したものです。


日本に伝来して、
音階名はそのままですが、

考え方は少し変化しております☆


さて、
邦楽の音階は、

「陰旋律(いんせんりつ)」と

「陽旋律(ようせんりつ)」

に大きく別けられます。

私が勉強しております、箏や三絃は「陰旋律」です♪

「陽旋律」は地方に多く、
民謡などの旋律として使われております。


↑どちらにしても、
日本音楽の音階は

統べて五音音階なのです♪


「五音音階の名称」は、

それぞれ
「宮(きゅう)」、「商(しょう)」、「角(かく)」、「徴(ち)」、「羽(う)」
といいます。


五音音階の特徴は、

陰性の音色を
メロディーの中に折り込んでいるところにあるのですが、


「宮(きゅう)」 陽性  主音

「商(しょう)」 陰性 

「角(かく)」   陽性 補音

「徴(ち)」     陽性  副主音

「羽(う)」     陰性  


★陰性の音は弱く弾きます


前回 聴いていただきました、

「平調子」は、
弦を弾いた順から数えて
五番目の音から
「宮・商・角・徴・羽」の音階をとりますので、

六番目、九番目 が陰性の音で弱く弾きます(^^)


オクターブの関係を考えますので、
四番目、六番目、九番目、十一番目(斗)が

陰性となるので弱く弾いているのです(^0^)/


その時の曲の調子によって、

どの弦から五音音階をとるかが
変化しますので、

音の陰陽も変わり、
弾く時の強弱も変わるのです♪♪

もう少し詳しく書きますと

音階の上行するとき(「羽」から「宮」へ弾くとき)
また、下行するとき(「宮から「羽」へ弾くとき)
それぞれで、「羽」音が変化する法則もあります

それは
作曲者の曲想によって、
軽快な感じ、または
奥ゆかしい深みのある味わいを
表現するのに使われるのです。

とくに、陰性の音は
音の表情を表現する大切な役目を持っています。

ここまでくると
音の色合いを表現する奏法を
意識する・・といった、言い回しになってきて
学べば学ぶほど、奥が深く
一言では、説明しきれません。

井上江雲先生がいつもおっしゃってた言葉

流派を超えて

「美しく弾くこと」

これに尽きるのかもしれません。

2011年1月12日水曜日

⑰平調子に調弦する方法

前回、
⑯一越(D)のお話を書きました。

そこで、今回は、
「一をDで平調子に調弦する方法」を書いていきます♪


箏という楽器は、

弦に琴柱(ことじ)をかけ、
琴柱を動かして調弦する楽器です


「平調子」というのは、
箏の基本となる調子なのですが、

一から順に弾いた音を聴いているだけでも
とても心地よい調子です(^0^)/



箏の調弦は、純正律

~自然倍音に基づく純正な音程なので、
美しい響きが得られます


♪「平調子」の調弦法です
(一をD=尺八のロ)

① 調子笛などでDを、
尺八でロの音を出していただいて

その音と一の弦を合わす。

② 一、二の弦を中指で弾き、完全5度に合わす。

③ 一と三を同時に弾き、響きを確かめて
完全4度に合わす。

④ 四と三を弾きながら、半音に合わせる。
古曲の場合は、やや低め。
近代以降のは平均律の半音と同じ。

⑤ 一と五を同時に弾いて、同じ音に。

⑥ 六、五を弾いて半音に。
 ④の場合と同じく、古曲の場合は低め。


⑦ 七から後は、二と七、三と八、
四と九、五と十、六と斗、
七と為、八と巾を
それぞれ同時に弾いて、1オクターブに合わせます♪


すると、琴柱はこの様な位置になります☆
 



いつもは、
体で覚えて自然に行っている動作を
言葉で書くのは難しいですし、

どの様な音になるのかも想像するのが難しいと思いまして、

師匠に平調子を弾いていただきました(^0^)/


一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、斗(と)、為(い)、巾(きん)

と順に弾いています♪♪

四、九 と 六、斗を低めに弾くと、

特に古曲を弾く時には

三絃(三味線)との合奏とも音が合いますし、

曲も しっとりとしたものになるのです。



2011年1月11日火曜日

平調子ー動画ー


一の音(糸)を D にして

師匠に、平調子を弾いてもらいました。

音によって、強弱も決まっています。

今日は番外編です。